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2025/6/6
「DX」という言葉を耳にする機会はすこし前から増えましたが、
「DXのこと、詳しくわからない…」「具体的に何をすればいいの」と感じている方も多いのではないでしょうか。
実はDXは大企業だけの話ではありません。
中小企業こそ、DXによって大きな競争優位を築けるチャンスがあります。
この記事では、DXの基礎知識から具体的な導入方法、
さらに失敗を避けるポイントまで、実践的な内容をお届けします。
ぜひ最後までご覧ください。
DXは「デジタルトランスフォメーション(Desital Transformation)」の略称です。
直訳すると「デジタル変革」になります。
「デジタル技術を活用してビジネスモデルや組織文化を根本的に変革し、
新しい価値を創造すること」 です。
単なる「デジタル化」ではなく、
「デジタルの力で会社の在り方そのものを変える」取組みを指します。
ここまで聞いてもあまりピンとこないですよね?
・紙で管理していた顧客などの情報をパソコンやクラウドで管理する。
・会議をZoomやTeamsなどのオンラインで実施し、どこからでも参加できるようにする。
・AIを活用して作業を自動化させる。
このような改革がDXに該当します。
DXには段階があります。
自社がどのレベルにいるかを把握することが重要です。
会社内の特定の工程における効率化のためにデジタルツールを導入し、
業務フローの一部をデジタル化できている段階です。
例えば、紙の書類をPDF化、手書きのメモをデータ入力に変換している等です。
自社内だけでなく外部環境やビジネス戦略も含めたプロセス全体をデジタル化を行い、
特定の業務プロセス全体をデジタル化できている段階です。
例えば、承認フロー全体の電子化、オンライン会議システムの導入、顧客管理システムの導入等です。
データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを元に、
製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、
業務そのものや、組織・プロセス・企業文化を変革することが出来ている段階です。
例えば、サブスクリプション型サービスの転換、データ活用による新サービスの開発などです。
DXと同じような言葉で、同じく耳にすることが多いのがIT。
多くの人が混同しがちです。何がどう違うのか?
こちらも分かりやすく解説します!
分かりやすく表にしてまとめてみました。
項目 | IT化 | DX |
目的 | 業務効率化・コスト削減 | ビジネスモデル変革・価値創造 |
対象範囲 | 特定の業務・部門 | 組織全体・文化・戦略 |
変化の度合い | 既存業務の改善 | 根本的な変革 |
期間 | 短期的な効果 | 中長期的な変革 |
具体例 | Excel→専用システム | 対面業務→デジタルマーケティング中心 |
カンタンに言うと、
IT化は「道具を新しくすること」、DXは「道具を使って働き方やビジネスを変える」
というイメージです。
ここまで聞いて、
「今までデジタル化しなくても回ってたから改革なんているの?」とお考えの方もいるはず!
大事になってきている理由を紹介します!
日本の労働人口は2008年をピークに減少を続けており、
2025年1月の帝国データバンクの調査では、
正社員の人手不足を感じる企業が過去最高の53.2%に達しています。
建設業界では特に深刻で、人手不足率は65.8%となっており、業界全体での対策が急務です。
原因として、主に有名なのが以下のものです。
総人口は、平成20(2008)年をピークに、人口は減少の一途を辿っています。
(出典:総務省統計局 「人口減少社会、少子高齢化」https://www.stat.go.jp/index.html)
人口減少だけでなく、0~14歳の人口割合も減り続け、65歳以上と75歳以上の人口割合が
年々増加しているのが分かるかと思います。
つまり、将来的に今までのように働き手を確保するのが簡単ではなくなってきているのです。
この問題は業界問わずに起こっています。
コロナ禍以降の就労環境や産業構造の変化が主な原因です。
(出典:帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査(2025年1月)」https://www.tdb.co.jp/report/economic/20250221-laborshortage202501/)
コロナ禍以降、不足感が右肩上がりで推移しているのが分かります。
リモートワークや柔軟案働き方がコロナ禍以降求められるようになりました・
これに対応できない企業は優秀な人材を確保することが困難になっています。
建設業界の顧客だけでなく、多くの業界が抱える顧客は24時間365日のサービス提供や、
パーソナライズされたものを求めています。
従来の方法では満足してもらえない場合が多くなっているのです。
例えば、今まで紙のやり取りをしていたものを、
DXにしてデジタルツールに置き換えることで何が起こるのでしょうか?
「上司にある仕事の承認をしてもらいたいのに、外出でいない…」という事態になったとき、
仕事が一旦止まってしまいますよね。
しかし、オンライン上で承認が可能、あるいはそのほかの方法に変革させることで、
一度も仕事を止めることなく完了させることが可能になります。
また、今まで手動で入力していたデータを、DXでシステムが自動でまとめてくれるようにした場合、
データ入力に割いていた時間や人員を他の仕事に回すことが出来ます。
また、ヒューマンエラーも防ぐことが出来ます。
作業時間が減ったり、ミスが減ったりすることで、時間の無駄を減らすことが出来るのです!
今まで書類を郵送していた、会議に出席するために移動をしていたなどでは、
郵送費や交通費がかかってしまっていたと思います。
しかし、紙をクラウドでのやり取りに、オンラインで会議を行うなどに変更すると、
郵送費・交通費を削減することが出来ます。
同じ効果をより少ない効果で出せるようになるのです!
また、無駄な経費を削減することで、利益率も上がるので、経営が安定することにもつながります。
今までお客様の声を紙のアンケートで集めていたところを、デジタルアンケートに変えた場合、
AIが単語や似ている内容に自動的に分類してくれるようになります。
うまく活用できれば、お客様のニーズをすぐに把握できるようになります。
またぴったりのサービスや提案を早くできるようになります。
お客様は「この会社、分かってくれてる!」と実感しやすくなります。
それがリピーターや良い口コミにつながっていくのです!
システムを導入し業績や現場の数字をデジタル化することで、
勘や経験に頼らない、根拠のある判断ができるようになります。
チャンスを逃さないということにもつながるうえ、トラブルにもいち早く対応ができるようになるのです。
DXによりテレワークを主流にすることで、
社員の柔軟な働き方を支援することが出来ます。
育児と仕事を両立させたいお母さん世代も現役で働きやすくなるので、人が離れない会社にすることが出来ます!
キャリアを諦めさせない働き方で経験豊富な人材が離れない仕組みなので、
会社にとっても大きなメリットが生まれます。
ここまでのお話を表にまとめると、
No | メリット | 内容 |
---|---|---|
1 | 業務効率化 | 作業が速く・正確になる |
2 | コスト削減 | ムダを減らし、利益アップ |
3 | サービス向上 | 顧客満足が高まる |
4 | 意思決定の高度化 | データでスピーディに判断 |
5 | 働き方の改善 | 人材確保・定着につながる |
「便利になる」だけでなく、
生き残るため・成長するために欠かせない取り組みがDXという事が分かっていただけましたでしょうか?
実際にどのようにDXが功を奏しているのでしょうか。
monectが対象にしている建設業の例を紹介したいと思います。
元請会社は1つの工事につき、たくさんの協力会社とのやりとりを行わなければなりません。
工程表や請求書を郵送で送っていると、いつ送ったか、届いているのかが分からないですよね。
アプリを使うことで、どこに・いつ・何を送ったかを一発で分かるようになります。
「字が小さくて見れない」「破れたり汚れたりで見えなくなった」という問題をDXは解決できます。
デジタルであれば、簡単に文字を拡大したり、共有も簡単に行うことが出来ます。
拡大すれば小さな文字は読みやすくなり、汚れを拭くだけできれいな状態で再び見ることが出来ます。
「とりあえず流行にのってデジタル化してみよう」という考えでツールを導入。
難しくて使いこなせなかったり、いらない要素にまで課金していたなどの失敗は多く見られます。
<対策>
解決したい課題を明確にし、重要業績評価指標(KPI)を設定する。
現場の声を聴かずにシステムを導入し、使ってもらえず終いになる。
<対策>
導入前に関係者にヒアリングを行う。
同意が取れたら説明会や研修を実施し、段階的に導入していく。
便利さを優先してセキュリティが疎かになってしまう。
<対策>
セキュリティポリシーの策定と定期的な見直しで対策を行う。
導入したものの効果がみえずに、投資の継続が出来ない
<対策>
導入前後での定量的な効果測定を実施する。
これを機にツールを見直してみる。
ここからは、DXの導入の仕方を紹介していきます。
大きく5つのステップに分かれます。
どこで不便に感じるのか、どこでミスが発生しやすいのかを把握するところから始まります。
ITツール・システムを活用する方法を模索します。
混乱を持寝くきっかけになりますので、一気に全部変える必要はありません。
部分的にこの業務・この部署からなどと区切りながら、徐々にデジタル導入を図ることをお勧めします。
実際につかう人の意見を第1に優先するべきです。
ここを変えたいと思っても、どのように変えるべきなのかは実際につかっていく人の意見を参考に考えてみてください。
「DX導入が完了した!満足!」では意味がありません。
必要ない部分にデジタル導入でお金をかけることになってしまいます。
アップデートや確認などを行い、本当に必要なのかの見直しを行うのを欠かさないようにしてください!
中小企業や小規模事業者向けに、
自社の課題やニーズにあったITツール(ソフトウェア・サービスなど)の導入にかかる経費の一部を補助し、
業務効率化やDXをサポートする制度です。
補助額は最大450万円で補助率は2分の1です。
2人に1人が不採択となっているため、審査はすこし厳しいようです。
最低賃金近傍の事業者に対する補助率を
「2分の1」から「3分の2」へ拡大
補助額の上限を「150万円」へ拡大。
小規模事業者に対する補助率も「3分の2」へ拡大。
新商品・サービス開発や生産性の向上を支援するための補助金です。
補助額は最大で3000万円で、設備投資やシステム開発などが対象経費になっています。
補助率は、中小企業で2分の1、小規模事業者で3分の2です。
・生産管理システムの導入
・IoTセンサーを活用した設備投資
・AI技術を用いた品質管理システム
2020年から始まった、新型コロナウイルス蔓延により、
需要や売り上げの回復が期待しづらいと悩む企業に対し、補助金が支払われる制度です。
補助額は最大で1億円(規模によって異なる)で、補助率は中小企業で3分の2、2分の1です。
新市場進出、事業転換、業態転換など、DXを活用した事業モデル変革が対象になっています。
DXは単なる「ITの導入」「デジタル化」ではなく、
仕事のやり方そのものを見直し、効率よく・スマートに進めるための手段です。
今回ご紹介したように、紙の業務や手作業を少しずつデジタルに置き換えるだけでも、
時間や手間がグッと減り、ミスも少なくなります。
難しいツールを背伸びして使う必要はありません。
「この作業、もっと楽にできないのかな?」という気づきが、DXへの第1歩です。
小さな改善から始めて、
あなたの職場にも「働きやすさ」と「成果の出しやすさ」を生み出しましょう。
ここまで読んでいただきまして、ありがとうございました!
皆さまからの「参考になったよ!」の温かい声、お待ちしております!